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CHAIN HOUSE | 連鎖の家

【背景】

敷地探しからはじまった、東京都立川市に建つ御夫婦と3人のお子さんのための住宅。
建ぺい率 40%の敷地で、 残り60%の敷地を活かした計画とすること、 また四方に抜けのある敷地条件を活かし、精神的な広がりを生み出すことを目指した。

【敷地全体を活かす配置計画】

配置計画では周辺環境が変化したときのことを考え、建物を3つのボリュームに分割し、南北にずらして配置した。
こうすることで四方に特徴の異なる屋外空間を確保すると共に、ほぼ全ての部屋で風と光の抜けを確保することを可能とした。

【変化を受け止める、 軸を持った平面構成】

両端のボリュームを繋ぎ合わせる役目をする中心のボリュームは、一階に土間、二階にダイニングを設け、各々の生活を受け止める厚さのある余白とすることで、廊下のような通路がなく、 敷地全体を居場所とすることができる効率的な平面構成とした。
またこの住宅の一番の特徴であり、敷地の中心に配置された一階の土間は、子供達が南北の庭を走り抜 ける通り土間として、またある時は自転車やゴルフが趣味である旦那さんのガレージ等、一日の流れや長い年月の中で使われ方が変化すると共に、 夫婦の寝室 (ハナレ)と各個室の心的距離を作り出す装置としても機能している。

【外々、外内、内々、 連鎖的な関係が生む厚みのある日常】

決して広くはないこの住宅で、内外や諸室が完全に独立するわけではなく、隣接する空間のためにも存在し、お互いを活かし合う関係性を作りたいと考えた。
そのためなるべく身の回りと遠くが同時に視界に入り、様々な種類の異なる情報が連鎖していくよう境界の操作や造作物の製作を行った。
そのようにしてできた敷地全体、もしくはその先までも空間として活かす広がりのある住宅は、周辺環境を取り込むことで身体感覚を共した体験を各々の中に形作る、厚みのある日常を生み出す建築となったのではないだろうか。

 

施工:シグマ建設
写真:千葉顕弥(~NO.18) 、小野晃次郎(NO.19~)
(2022.7~2023.2)

所在地/東京都立川市
主要用途/専用住宅
構造・規模/木造2階建て
敷地面積/109.63㎡
建築面積/43.82㎡
延床面積/84.36㎡

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